オープンキャンパス2007(その3・模擬授業)

こんにちは。数学科の教員をしております尾花です。先日のオープンキャンパスでは、
模擬授業を担当させていただきました。今回はその様子と授業の内容について簡単にお話し
させていただきます。
タイトルは「数学に親しもう!! ~9の倍数の不思議~ 」。9の倍数に関するお話です。
内容は以下の様な具合で・・・。

999,777,783,683,423,828,911,919 の8つの数を
9の倍数とそうでない数とに分けると次のようになります。
〔9の倍数〕: 999,783,423,828  
〔9の倍数でない数〕: 777,683,911,919
実際に9で割ってみると判断できますが、それ以外にも、もっと簡単に確かめる方法があります。
9の倍数の4つの数に共通する特徴を考えてみましょう。ヒントは、各位(百の位,十の位,一の位)
の数を足してみると・・・・・。

 そうです。9+9+9=27,7+8+3=18,4+2+3=9,8+2+8=18と、
『各位の数を足すと、それもまた9の倍数!!』になっています。これが9の倍数の不思議なのです。

授業では簡単に3桁の数 abc (百,十,一の位がそれぞれa,b,cである数)を使ってこの不思議
の証明をしました。       
abc が9の倍数だとすると
abc=a×100 + b×10 + c
  =a×(99+1) + b×(9+1) + c
  =99a + a + 9b + b + c
  =(99a + 9b) + (a + b + c)
  =9(11a + b) + (a + b + c)
ここで、 9(11a + b) は 9 の倍数なので
abcが9の倍数であるならば

a + b + c も 9 の倍数になる               といった感じ。

 3つも文字が出てくる証明ですので、だいぶ難しいのではないかと心配していましたが、多くの中学生がしっかりと話を聞いてくれていたことに、非常に嬉しく感じました。

 数学では、9の倍数の不思議のように、不思議に感じる定理や性質がたくさん現れます。
そのとき大切なのは、それをただそうなのかとやり過ごすのではなく、「どうしてそうなるのだろう?」と考えることです。今回の模擬授業を通じて、少しでも数学に親しみを持って、そして「どうしてそうなるのだろう?」と考えることに触れてもらえたなら幸いです。

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