付高教育プラン1による本校の部活動について

1966年に発行された「付高教育プラン」には、こう記されています。

クラブ活動は、生徒にとっては学校生活の中で最も興味あるものの一つである。そこでは、生徒は自分の意志で自分の才能と興味に基いて、自由に活動できる。一方教育の立場から見ると、生徒の特技を伸ばし、生徒の自立性を育成するのに最適の場である。また多数の生徒の中には、知的能力の不足から学習意欲を失い、劣等感にさいなまれているものもあるが、こういう生徒にとっては、クラブ活動は、自分の能力に対する自信を回復し、生への積極的な意欲を取り戻す場でもある。

本校は大学進学を目指す学校であり、ややもすると学校生活が灰色の無味乾燥なものになりがちな危険をはらんでいるので、このような学校は特にクラブ活動を奨励すべきである。本校のクラブの数は文化部が12、体育部が17あり、生徒数が八百数十名の学校としては多い方に属している。また、クラブに参加している生徒は全校生徒の約39%に達しているが、文化部に学術研究的なクラブなども奨励して参加者の一層の増加をはかるべきである。クラブ活動の要点は次の通りである。

自主的・自律的活動の尊重 クラブは生徒の自由参加を基盤にして成立しているものであるから、その活動はあくまで自主的でなければならない。しかし、そこに自立の精神がなければ放縦に流れやすい。そこで各クラブにクラブ憲章を作成させ、憲章の精神に従って自主的・自律的に活動するように指導する。また各クラブは、毎日の活動の状況をクラブ日誌に記入し、定期的に部長教師に提出し、その指導と助言を受ける。

参加・脱退の自由 クラブへの参加脱退はなにものにも強制されない。参加・脱退はすべて生徒個人の自由意志に任せられなければならない。

クラブの民主的運営 クラブはあくまで民主的に運営されなければならない。クラブ構成員は、クラブ員という立場において、上級生下級生の別なくすべて平等であるからである。下級生が上級生を尊敬し、上級生が下級生をいたわり、クラブ活動の現場において、予め決められたスケデュールにもとづいて上級生が下級生をきびしく指導することは当然であるが、上級生が権力を以て下級生を威圧するような行為は許せない。クラブの中にはこのような封建的傾向が発生しやすいので、厳然たる態度を以てその防止につとめねばならない。

活動時間の規則 生徒の本分は学業に精励することである。とくに大学進学をめざす本校生徒にとっては、それはいわば絶対的要請である。そこで本校では、短時間の密度の高い活動によってその成果をあげると共に、クラブ活動と学業とを両立させるために活動時間を規制する。即ち平常の活動時間は放課後直後より午後六時半(冬期は六時)まで(※注)とし、それ以後の活動は認めない。ただし、試合前等、特に必要ある場合は学校長の許可を得て活動時間を延長することができる。また、定期考査の場合は、その一週間前から考査終了時まで、実力考査の場合はその三日前から考査終了時まで一切の活動(対外試合を含む)を禁止する。(※注:現在は、午後七時半まで(強化部は八時)に改正されています)

活動場所の規則 クラブ活動は学校内で行うことを原則とする。山岳部やボート部のように学校内での練習が不可能のため、あるいは他校との合同練習や試合等のため、学校外で活動する場合は学校長の許可を得なければならない。

合宿の指導 休暇中などの合宿は学園の合宿場を利用することを原則とする。しかし、環境・施設が教育的に良好である場合に限り、外部での合宿を認める。いずれの場合も目的・期間・日課表・経費などを記載した計画表を提出させ職員会議の承認と学校長の許可を得て行わせる。合宿生活をより効果的・教育的にするため、部長教師は、起居をともにして、やむを得ない場合は適宜合宿所を訪れて指導にあたる。

クラブ活動指導日の設定 部長教師はなるべくクラブ活動の現場に臨み指導するようにつとめねばならないが学級管理、教材研究等多忙であり、また一部の教師を除いてはその方面の技術的指導能力に欠けているので、なかなか思うにまかせない。そこで年数回のクラブ活動指導日を設けて、クラブの掌握と適正な指導にあてる。この際クラブ員とともに茶菓を喫しながら歓談の間に指導する方法をとることもある。

40年以上前の規定ですから、当然現代の事情に合わない箇所もありますが、「文武両道」を志す生徒を積極的に支え、応援する姿勢は、現在と何ら変わるところはありません。温故知新の気持ちで、これからも教職員一同、積極的な活動を支えたいと思います!