21:06 沖縄コース 報告
久しぶりの沖縄。ANA機が那覇空港に着陸したとき、僕は不覚にも涙ぐんでいた。
うれし涙ではない。どうしようもなく、せつなかったのだ。
中島みゆきの『ホームにて』が機内音楽にプログラムされていて、それを聴いたからだ。『わかれうた』のB面だった。1977年の発売となっている。
「ふるさとへ向かう最終に乗れる人は急ぎなさいと、やさしいやさしい声の駅長が街なかに叫ぶ」
「振り向けば空色の汽車は、いまドアが閉まりかけて、灯りともる窓の中では帰りびとが笑う」
「ふるさとは走り続けたホームの果て」
「涙の数、ため息の数、溜まっていく空色の切符、ネオンライトでは燃やせない、ふるさと行きの乗車券」
「たそがれには彷徨う街に、心は今夜もホームにたたずんでいる」
古い歌の詞を長く引用した。このブログは留守番している自分と同世代の保護者が読んでくれることを、そしてひょっとしたら二年生や来月卒業していく三年生が読むこともあるのではと期待してのことだ。
今回は男女合わせて30名の大切な生徒たちを預かっている。15才か16才(今日が誕生日という女子もいた)。これから実にいろんな経験をして、大人になっていく。
家を、親許を、ふるさとを離れて行った先で、いつか彼らはそのふるさとをどんな思いで見るのだろう。そんなことを想いながら、せつない気分になった。
この沖縄の旅の5日間、濃密な時間を過ごしてほしい。見て、聞いて、話して、知って、感じて、考えてほしい。時はあっという間に過ぎていく。
K.Yamashita