高校
2020.02.06
【2020修学旅行】東北・関東コース第2日
【東北・関東コース_第2日】
第2日は午前中にブリティッシュ・ヒルズでの「アクテヴィティⅡ」が行われました。
アクテヴィティの内容ですが、ALT(って呼んでいいんですかね)の先生が5名ないし6名のチームに一人ついて頂き、全て英語でコミュニケーションを取りながらお菓子作りやスヌーカーやクローケーなどのイギリス文化の香りあふれる取り組みを行う──というものです。
英語におけるコミュニケーション能力の構築はとみに重要視されています。「読む・書く」の「詰め込み」時代に受験戦争の最前線のトレンチで砲弾をやり過ごした私なんかはいきなり目の前に外国の方が現れて「excuse me?」と言われただけで敵前逃亡してしまうようなもんですので(そもそも相手は敵ではない)、こうしたアクテヴィティに積極的に取り組む生徒を見て「たいしたもんだ」と思う次第です。
昼食をとり、せっかく1階を「grand floor」2階を「first floor」と呼び習わすことにも慣れてきた頃だというのにブリティッシュ・ヒルズとお別れです。
一路、東北道から磐越道に入り、いわきを目指します。
いわき市は福島県の中でも海側に面する、いわゆる「浜通り」と呼ばれるところで、割合温暖な気候の場所で、豪雪地帯の「ザ東北」かというと、ちょっと拍子抜けする感じです。美空ひばりの「みだれ髪」(個人的には彼女の最高傑作だと思う)の舞台となった塩屋崎灯台や小名浜港、常磐炭鉱などが全国的に知られている地域です。そしてこれらの地名は全て「東日本大震災」における大きな被害を受けた場所としても知られる場所です。
熊本地震で未曾有の直下型震災を経験した私達にとって、「震災学習」は筆舌に尽くしがたい意義あるものだと考えています。本日2つ目の訪問地「アクアマリンふくしま」に訪れる意味は、震災、なかでも津波被害に直面した日本でも屈指の「魅せる水族館」が、どのようなことを考えて復興に取り組んだのか──ここにあるということでした。
実はこれを書いている私は4年前も修学旅行の引率で同水族館を訪れています。その時の感じた印象と、今回の感じた印象は、実は少し違いました。
4年──松任谷由実に言わせれば「もう若くないさ」と長い髪を切る言い訳をするのに十分な年月です。東日本大震災を、何歳で経験したのか──4年前の生徒と、今年の生徒、反応が違って「当たり前」なんですね。
そして、こうも思いました。私自身も、確実にその日から4年余計に歳をとっているわけです。東日本大震災に対するこの我が身の感情の変化に戸惑いを感じたものでした。
自分自身の気持ちの整理と、生徒のような若い世代に、この経験を、どう伝えていくか──「見えぬ心を照らしておくれ」とはひばりの「みだれ髪」の一節。塩屋崎灯台に導いて欲しいのは、この我が身だとも思いました。
さて、本日の宿泊地「スパリゾート・ハワイアンズ」。4年前に初めてこの場所を訪れた時から、私がこの場所に親しみを感じているのは、かつて栄えた常磐炭鉱の地が石炭エネルギーの斜陽化を迎え、一念発起し業種を変換し、サービス業として成功したあともなお、自分たちのルーツを炭鉱の街であると公言してやまないところにあります。
今日見学したフラガールショーにも、背景に現れたプロジェクション・マッピングに炭鉱時代の町の様子、人の様子が表れる場面がありました。「常磐ハワイアンセンター」という野暮な名前の時代から積み重ねてきた、それこそ彼ら彼女らの言う人々との「絆」を大切にする姿勢が、私にはこの上なく好ましいものに見えてならないのです。
さてフラガールショー。圧巻は終盤、タネイムアという演目のソロダンス。そのソロダンスを披露した彼女の踊りは、ちょっと一味違うというのは素人の私が見てもすぐにわかりました。そしてそこはかとなく感じる既視感。これはなんだろう…と思って会場を後にしたあと、同じ引率のD先生の一言。
「『フラガール』のダンスと同じでしたよね、あと振り付けも、衣装も」
そうか!そうだったんだ!どうりで…生徒の中にもそれに気づいた生徒は多かったことでしょう。素晴らしいショーでした。
さて旅行そのものは2日目を迎え、若干気の緩みが見られます。訪問地での忘れ物、大浴場での忘れ物…出発が遅れたということもありました。また、遅れはしていないけど、集合時間ぎりぎりへの行動もちらほら。
スパリゾートハワイアンズには「和室」があります。今回は「和室」への宿泊ですが、和室への複数人での宿泊は否応なしに団体での旅行なのだという意識を新たにします。トイレの使い方だったり、荷物の整理の仕方だったり…そう考えると、全ての課題は「この旅行が団体旅行なんだ」という意識を高めることで一気に解決するものばかり。今晩、この地で一晩過ごすことすら、大きな学びとなる事でしょう。
その成長を促す存在として、私はこのリゾート施設を贔屓にするのです。
さて、明日は都心へ向かってもう少し南下します。最後は濁るのではなく清音で。では。