高校 2019.03.03
第58期生卒業証書授与式答辞

答辞 
 私達、熊本学園大学付属高校58期生408名は、今日を最後に3年間の高校生活に終わりを告げ、それぞれの道を歩み始めます。
 本日は、私達の門出を祝う、盛大な卒業式を挙行して頂き、誠に有難うございます。先程の学長先生や校長先生、ご来賓の皆様の心温まるお言葉を初めとし、ご多忙の中、ご出席頂いた皆様に、卒業生を代表し心よりお礼申し上げます。
 今、この場に立ち、スプリングキャンプの無言のバスから始まった3年間を振り返ると一つ一つの出来事が鮮明に思い出されます。「入学おめでとう」当時の校長先生である木下校長先生のお言葉です。この言葉の受け止め方は、様々であったと思います。喜びに満ちる人、不安を抱いていた人、私はこの高校が第一志望の高校ではなかったため、期待や不安より絶望が大きかったことを今でも覚えています。当時を振り返ると、自分が如何にくだらないプライドを持ち、自分の視野が如何に狭かったのかを痛感します。誰も信頼せず、自分のやり方が正しいと決めつけていました。学校生活も中途半端に過ごしていたため、周囲からはただの生意気な生徒にしか見えていなかったと思います。自分の内面を見せることのない、塞ぎ込んだつまらない人間でした。そんな私を成長させてくれたのは、この学付という学校でした。毎日の学校生活、時には雨のため休校や自宅待機になり皆が歓喜の声を上げていました。数々の行事、雨で中止になった行事もあり、その時にはなぜか皆で悲嘆する。なぜここまで違いが生まれるのでしょう。放課後の他愛もない馬鹿話、この時間が一番好きでした。こんな毎日を過ごすうちに不思議と心を開けるようになり、医師になり1人でも多くの人を救いたいといった将来の夢や、進学先を真剣に話し合える親友や、3年間私の担任をして下さった家入先生をはじめとした、多くの素晴らしい先生と出会う事が出来ました。今となってはこの学校に入学したことに微塵の後悔もありません。この場にいる卒業生全員にこの気持ちは共通しているのではないかと思います。少し私的になりますが、この場を借りて、今日までに関わってきた友人、先生、そして家族に感謝の気持ちを伝えさせて下さい。
 友人へ
 皆がいなかったら、今の私は存在していないでしょう。時にはお互いの不安を話し合う仲間として、そして時にはお互いを高め合うライバルとして充実した日々を過ごさせて頂きました。皆と過ごした毎日の学校生活や修学旅行、紫紺祭、紫雲祭といった一つ一つの行事すべてが私にとっての大切な思い出です。特に今年は、受験のストレスから、皆に当たってしまうこともあり、迷惑をかけてしまったかも知れません。それでも受験生という辛い時期を乗り越えられたのは皆のお陰だということは十分理解してしていますし、今こうして、皆でこの場所にいられることを幸せに思います。家族と居る時間よりもみんなと居る時間の方が長かったため、私にとってみんなはもう「家族」に等しい存在です。明日からは、会うのに理由があります。いつものように学校に来て笑い合う日々はもうありません。今日のように、58期生全員が同じ場所に集まる日もないでしょう。それでも、これからの生活で、1人でも多くの人と再会できることを願っています。3年間、本当にありがとう。

 先生へ
 私はこの学校で多くの先生にお世話になりました。初めに感謝の気持ちを伝えると共に、三年間私の担任をして下さった家入先生に感謝の気持ちを送ろうと思います。先程も言いましたが、最初は先生のことを全く信頼していませんでした。しかし、今はこの答辞を読んでいること、第一志望の大学に合格したことなど全てが先生のお陰だったと思っています。先生の目に私はどう映っていたでしょうか。全く見当がつきませんが、私の目には先生は常に私の前にいて、進むべき道を教えてくれる「仏」のような存在でした。これから先生のご指導を受けることはなくなりますが、先生から頂いたたくさんの言葉を胸に、自身の夢に向かって日々の生活を過ごしていきます。本当に三年間有難うございました。

 家族へ
 三年間で受験などのストレスから何回衝突したか。覚えていません。たぶん、私の知らないところでも、迷惑をかけていたと思います。本当にご免なさい。仕事や家事で忙しいのにも関わらず、休むことなく弁当を作ってくれたり、受験のための資料集めをしてくれたり、オープンキャンパスに行かせてくれたりして本当にありがとうございました。家に帰っても、お礼を言うことはないと思うけど、これからの行動でしっかりと恩返しをしていくので、見ていて下さい。

 私達58期生は、来年度よりそれぞれの夢に向かって歩み始めます。その道の途中で、多くの壁にぶつかり、挫折しそうになることもあると思います。そんなときは、この学舎で学んだ多くのことを糧とし、壁を乗り越え、それぞれの場所で大輪の花を咲かせて見せます。この学校で出会った多くの仲間と別れるのは辛いことですが、出会いがあれば別れもあります。来月より進む新たな場所で、新たな出会いを市、更なる成長をしていくことをここに誓います。
 最後に、この熊本学園大学付属高校が更なる発展をし、素晴らしい歴史を刻んでいくことを願い、答辞とします。

平成三十一年三月三日
            熊本学園大学付属高等学校
              第五八期生 卒業生総代「高橋賞受賞者」  皆本 竜弥

 

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